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今日のコラム 2007


2008/2/4

<教育とは人生を楽しむことができる力を育てること(その5)>

今日アマゾンから、糸山先生の新刊のお知らせメールが届きました。
アエラキッズブックより、「描いて育てる考える力 〜絵で解く算数」という本が2月7日に発売されます。

この「絵図で解く」という糸山メソッドですが、最近急速にいろいろな方面に広がりつつあります。ミカリンさんのブログからは、全国のどんぐりさんを検索できます。是非一度、のぞいてみてください。

さて、話は変わって東京で第一回の学習相談会を開催したとき、数人のお母さまから、以下のようなコメントをいただきました。

「今までこんな問題を、週に1問やったからって、何になるの?と思っていましたが、やっと意味が分かりました!」

「時間をかけて絵図をかく」、「週に1問か2問で十分」というどんぐり方式の学習方法は、塾や学校で行われているそれとはかなり異なるため、多くのお母さまが最初はかなり戸惑われるようです。

私(カニ先生)が最初に知人のお母さまにどんぐりのことをお話したとき、「先生、うちの子はもう小学生です。お絵かきなんかしている時間はありません」と、きっぱり言われたことがあります。
確かに多くのお母さまが、そうお感じになられるかな?と思います。

実は、私は、初めて糸山先生の「絶対学力」を読んだときから、お絵かきとは思っていませんでした。
それは、私が以前から、あることを知り、実践していたからです。

2002年に、「図で考える人は仕事ができる」(久恒啓一)という本が日本経済新聞社から刊行され、「図解思考」という言葉が、社会人の間では大きなブームになりました。

「図にして考えると物事の構造や関係がはっきり分かり、思考力や解決力もアップ」というこの「図解思考」の考え方は、多くの人たちに支持され、今でも多くのビジネス書に「図解」というキャッチフレーズが使われています。

私はこの理論を知り、多少自分でも「困ったときに図をかいて考える」ということを実践していたため、どんぐり方式を見て、「なるほどね」とすんなり理解できたような気がします。「図解」は、本を読んだり、文章をかくときにも役にたつので、ビジネスマンの間ではよく、「図を使って構想力や解決力をみがく」研修が行われています。

ご興味のある方は、是非この本を手にとって読まれてみてください。日本経済新聞社から文庫本が出ています。(価格は667円です)

「図解をすると、記憶したり、頭の中で思い描いたりといった労力なしに、リラックスしてイマジネーションを広げていくことができる」と、糸山先生と同じような理論が、きちんと説明されています。

また、何よりも一番重要なポイントは、「絵図をかくと、それが頭にいつまでも残る」ということです。
先日あるお母さまから、「うちの子は、一度解いたどんぐり問題、どんな絵をかいたか、全部覚えています。オリジナルのテキストができていくんですね。すごいです!」というご報告をいただきました。

私も小学生のうちに、どんぐりをしておきたかったです。(涙)

(このシリーズは、この回で終わります)



2008/1/23

<教育とは人生を楽しむことができる力を育てること(その4)>

最近、何人かのお母さまから、同じようなコメントをいただきました。

「先生、うちの子は、答えがあっているかどうかを、非常に気にします。どんぐりに取り組みながら、何度も答えはあっている?と私(お母さま)に質問してきます」

「難しそうな問題は、出来るだけ避けようとします。どうしたらいいのでしょうか」

たくさんの子供たちを見ているとつくづく感じるのですが、子供というものは大人が思っている以上にナイーブで、傷つくことをおそれる面を持っています。

「自分に自信がない・苦手なことはしたくない」という思考になりがちなお子様に対しては、「出来ないかな?と思ったけれど、やってみたら意外とできた!」という成功体験を、少しずつ積み重ねていくのが一番です。

また、「答えがあっているか」を過度に気にされるお子様に対しては、「答えは重要ではないんだよ。一生懸命考え続けていられることが、すごいことなんだよ」と、何度も繰り返し伝えてあげましょう。

この「答えは重要ではありません」というのは、糸山先生がよく使われるキーワードの一つです。しかし、多くの保護者の方は、「何でかな?」と不思議に思われるのではないでしょうか。

実は、私(カニ先生)もそう思っていました。しかし、子供たちの添削を通して、数多くの絵図や、子供たちの変化を見ていくうちに、その意味がだんだん分かってきたような気がします。

どんぐりでは、「まだ割り算を習っていないのに、この学年でこれをどう解くのだろう」と大人が思うような、面白い問題がどんどんでてきます。

たとえば、1MX67
「バッタのピョンピョン、バサバサ、パタパタの3人が105円のサイダーを買うのにお金を出し合いましたが、みんなで81円にしかなりませんでした。足りない分は3人のお母さんが出してくれることになりました。お母さんは、1人何円を出すことになりますか」という問題があります。

子供たちは、まず足りない分24円を、どうやって3人で分けるか考えます。大人は24÷3=8で簡単に答えを出してしまうのですが、子供たちはそれぞれオリジナルの工夫をしていきます。

たとえば、24個の1円玉をかいて、それをひたすら3つのグループに分けていったり、「あーでもない、こーでもない」と頭をぐりぐり回転させるのです。

この「具体的に悩む」ことが、思考回路を作るためには、何よりも大切なことなのですが、もう一つ忘れてはいけないことがあります。それは「習っていない問題でも、工夫すれば出来るんだ!」という自信を、子供が身につけていくことです。

「人生に解決法なんてない、ただ進んでいくエネルギーがあるだけだ」というのは、星の王子様の著者であるサン=テグジュペリの言葉です。私(カニ先生)は、この言葉を知ったときに、「なるほどね」と大変感銘を受けました。

実際、学校教育を終え、社会に出てみると、何の仕事をするにしろ、誰もつきっきりで面倒をみてくれるわけではありません。

「営業で成果をあげる方法は何ですか。この3つの中から正解を選びなさい」なんていう、仕事はないのです。
営業を例にとってみると、新規であれば、どこにお客さんがいるかを考え、どんなふうにアプローチをするか、どんな資料を持っていくか、何を話すか、どこでクロージングにもっていくか、すべて自分で工夫しながらやっていくしかありません。

つまり人生にとって大切なことは、つぎつぎにふってくる人生の課題に対して、「あーでもない、こーでもない」と頭をぐりぐり回転させながら、突き進んでいくエネルギーだ!ともいえるのではないでしょうか。



2008/1/6

<教育とは人生を楽しむことができる力を育てること(その3)>

あけましておめでとうございます。昨年は、いろいろとありがとうございました。
今年もどうぞ、よろしくお願い申し上げます。

新しい年のスタートにあたり、昨年の学習相談会でご要望があった、「学年ごとに読みたい名作・推薦図書リスト」を、どんぐり教育研究会コンテンツにアップしました。是非この冬は、親子で名作を楽しんでみてください。

得意・不得意がはっきり分かれる歴史や、理科の勉強に役立つ、「学習マンガ」もいくつかご紹介しています。
なかなか「興味がもてなくて、頭に入らないよ」というお子様は、是非本屋さんで手にとってみてください。

さて、マンガといえば、「お受験の星」という大変面白いマンガがあるのをご存知でしょうか。(雑誌「ビッグコミック スペリオール」(小学館)に連載されていて、ちょうど第1巻が出たところです)

これは、マンガとはいえ、なかなか内容が深くて、「いろいろと内情を知っている人に詳しく取材して書いているなー」という優れものです。

一部分だけをご紹介すると、たとえば…
「なぜ大手塾が山のように問題テキストや宿題をやらせると思いますか。それは、生徒を思ってのことでなく、パンフレットに予想問題的中と書く売り文句のためなんですよ」

「そもそもそんなにたくさん解くことに、意味があるのでしょうか・・・」という、せりふがあったりします。

そして、基本的な問題をしっかりおさえれば、あとはその組み合わせでどんな問題にも対処できるとしています。

そして注目すべきことは、このマンガの中に出てくる個人塾の先生(主人公を指導する迷える子羊塾の先生)も、算数の文章題を教えるときに、絵図をかいて説明していることです。

よく、お母さんたちから受ける質問に、以下のようなものがあります。
「先生、絵図をかくやりかたは、時間がかかりますよね。中学受験の本番では、使えないのではないでしょうか?
だから、式で解く方法を覚えないといけないのではないですか?」

しかし、本当は逆です。

実際に自分で中学受験の問題を解いてみるとよく分かるのですが、文章をイメージ化し、絵図にすると、「問題の本質」が理解できます。そこで方向性を確認したうえで、式をたてると、見当違いなことをして時間を無駄にするリスクを回避できるのです。

ですから、年長さんの時期から「一度しか読まない覚悟で」、「文章を絵図にする」練習をずっとしてきたどんぐりっこが、中学受験に強いのは当たり前なのですね。

私たちどんぐり教育研究会は、子供たちが自分に自信をもち、人生をたくましく拓いていけるよう、子育て中のお父さん、お母さんたちに役立つ情報を、今後もお伝えしていきたいと思います。

(次回に続く)



2007/12/22

<教育とは人生を楽しむことができる力を育てること(その2)>

12月15日の学習相談会(東京会場)は、お知らせ期間が短かったのですが、約40名のみなさんにご参加いただきました。本当にありがとうございました。

当日は、1時間半という限られた時間の中で、「良質の算数の文章題の自宅における学習法」、「中学受験について」など、いろいろなご質問やご意見をいただきました。ここで簡単にご報告させていただきます。

まず、「良質の算数の文章題」に取り組む上で、特にスタート直後のお母さんたちが悩まれているのは、以下のような点でした。

「うちの子は難しい問題に、じっくり取り組む姿勢がなかなか見えない。すぐに考えることをやめてしまう。」
「自分で決めてね、というと、やさしい問題ばかりを選ぶ。これでいいのでしょうか」

これに対する私(カニ先生)の意見は、こうです。
「最初から100%できる子はいません。(大人もそうですが・・・・)小さな一歩からスタートとして、出来たことをほめてあげる。そうして、小さな成功体験を積み重ねていくことが大切ではないでしょうか」

「自分で考え、自分で判断できる大人になるために、小さなことですが、どんぐり問題を自分で選ぶことも、大切な一歩だと思います」

私(カニ先生)が、これまで幼児から中学生まで、様々な年齢の生徒を見て感じたことは、勉強にしろ英会話にしろ、「自分の意思で楽しく、主体的に取り組んでいる子は伸びる」ということです。

たとえば英会話をとってみると、何となく親に連れられてレッスンにきている子と、「将来海外でお菓子の勉強をしたいから、英語頑張る」と主体的に取り組んでいる子とでは、あきらかに吸収力が違います。

大人もそうですが、「させられている」仕事は楽しくなく、成果も出しにくいものです。反対に、自分から率先して取り組んでいることは、時間を忘れるほど熱中します。

では、どうすれば子供たちが、「させられている」のではなく、自分からどんぐり問題に取り組み、見たことのない問題でも、楽しくじっくりと考えることができるようになるのでしょうか。

私は子供が主体的に、意欲を持っていきいきと物事(どんぐりもふくむ)に取り組むようになるためには、遠くの「夢」と足元の「小さな成功体験」、この二つが必要ではないか、と考えています。

子供にとって重要なのは、「分かった。そうだったのか」という小さな成功体験です。
大人もそうですが、「出来るかな」と不安だったことにチャレンジし、自分の力で成し遂げたときの喜びは、たとえようもなく大きいものです。

どんぐりの問題は、見たこともない大きな数や、まわりくどい設定がどんどん出てきますが、それを「自分の力で絵図をかくことができた!」「頑張って、長い時間考えた!」と子供が感じとったときの喜びと自信が、その子の本当の力になっていくのです。

反対に、「こう解くのよ」と教えられたことは、多くの場合すぐに忘れてしまうものです。
また、「自分で出来た」という自信にもなりません。

私は、お子様がどんぐりに取り組むにあたり、最初は「やさしい問題ばかり選んでしまう」「じっくり考えることができない」としても、全く問題はないと思います。たとえやさしい問題だとしても、お子様がオリジナルの絵図をかき、小さな成功体験を積み重ねているのですから、それはとてもとても大切な一歩ではないでしょうか。

(次回に続く)



2007/12/6

<教育とは、人生を楽しむことができる力を育てること(その1)>

昨日、あるお母さまと30分以上電話でお話をする機会がありました。

主に、「どんぐりの文章題に家庭で取り組む方法」についてお話していたのですが、話が意外な方向にどんどん発展していきました。私(カニ先生)も「なるほど!」と思うことが多かったので、ここにご紹介させていただきます。

電話の途中で、私が、「どんぐりの文章題は、一つの問題でも、いろいろなとき方が出来るんです。子供たちは、見たことがない問題でも、工夫して絵図をかきながら、一生懸命考えます。添削を受けているお子さんの中には、3日かけて考えました、3日がかりで絵を仕上げました、というお子さんもいらっしゃいます。
それが子供たちの自信につながるのですね」というような内容のことをお話したときに、そのお母さまが、「それって、人生にも大事なことではないですか!」とおっしゃったのです。

私は、その瞬間、どんぐり倶楽部の考え方に興味を持つきっかけとなった、糸山先生の著書「絶対学力」の中にある文章を、思い出しました。多少長くなりますが、ここに引用させていただきます。

「教育界では生きる力という言葉が流行しています。しかし、どうもぴんとこない。生き抜く力と言ってみると、分かりやすいかもしれません。つまり、世界中どこにいても、生き抜くことができる力のことを、生きる力と言うのです」

「日本は今まで海と言葉に守られてきました。でも、これからは守ってくれません。そんなときに、一体何が自分を守ってくれるのでしょう。それは自分しかいません。いつまでも親がいるわけではありません。いつでもどこでも、一緒にいるのは、自分だけなのです」

「では、どうしたら自分で自分を守れるのでしょう。何が力になるのでしょう。それは、自分を信じる力があるかどうかにかかっています。自分を信じることを、自信といいます」

数年前までは、(私はなぜか「絶対学力」を初版で持っていたのですが)私はこの文章を読んで「なるほど」とは思いましたが、その意味するところがあまりピンとはきませんでした。

しかし今では、「何故子供たちにとって一番大事なことが自信なのか」そして、「何故これからの子供たちにとって必要な学習が、どんぐりの良質の算数の文章題なのか」ファックス添削を通して子供たちの変化をじっくりと見ているうちに、よく理解できるようになってきました。

少し話はかわりますが、今日本と世界には、グローバル化した経済、新自由主義、情報化社会の到来など、とんでもない変化の波が押しよせています。

これまでは、学校を出て就職して、その会社にずっと勤めるというのが、多くの人が考える人生のビジョンでした。生徒や学生は余計なことを考えず、とりあえずまじめに勉強しておけばよかったのです。

しかし、今は大学や高校を卒業したあと、新卒で就職して一つの会社に3年間勤務する人は、統計上でも4割をきっているといいます。つまり「普通のサラリーマン人生」というものが大変な勢いで縮小され、これから社会に出る子供たちは、今までにない働き方や、自分らしい仕事のスタイルを模索し、見つけていかなければならない時代に向かって歩んでいるのです。 (次回に続く)



2007/11/17

<「目で考える」って、どういうこと?〜視考力で、こんなに分かる方程式!>

10月にどんぐり学習相談会を開催しましたが、ご参加の皆様から、たくさんのご質問をいただきました。その際、多かったご質問は、(中学受験関連を除けば)以下の2点です。

(1)目で考えるって、どういうことですか?

(2)うちの子も、続けていけばタカヒロ君みたいに、視考力を使えるようになりますか?

タカヒロ君がどんな絵をかく子なあのかは、是非このホームページからリンクしている「百ますからどんぐりへ」のページをご確認ください。

どんぐりっ子のタカヒロ君が、「だって、見えるじゃん。お父さん見えないの?」と語っているページをみて、私(カニ先生)は、「うーん。なるほど」と感動しました。

ちなみにタカヒロ君は、中学生でも難しいような連立方程式の問題に、ラクラク取り組んでいます。しかも、サッカーや友達との外遊びを、十分に楽しみながら!です。

ここで重要なことは、「タカヒロ君が特別だから、出来るようになった」のではなく、どんぐり方式では、「誰もが同じように、出来るようになる」(視考力を使えるようになる)ということです。

では何故どんぐり方式ならば、誰もが無理なく視考力を使えるようになるのでしょうか。
ここで先日の学習相談会で、参加者の皆様と一緒に「お絵かき」してみた問題を、2つご紹介しましょう。
(紙と鉛筆をご用意ください)

■今ある飴を8人で同じ数ずつ分けると、1人分が丁度6個になります。この飴に何個か加えて10人で7個ずつ分けようと思います。あと何個飴があればいいでしょうか。(3MX68)

さあ、文章のとおりに絵をかいてみましょう。そして、ポイントとなる箇所(8人と10人の間)に、縦線をひいてみます。
すると、あと何個飴が必要かは、絵図の中にあらわれているではないですか!
答えは絵図の中にある、というのを目で確認したら、式を作りましょう。そうすれば、無意味に数字をいじって、余計に分からなくなる!ことはありません。

■ケーキ6個と150円のプリン1個を買ったときの代金は、同じケーキ1個と80円のシュークリーム1個を買ったときの代金の5倍になりました。このケーキ1個の値段はいくらでしょう。(6MX16)

中学生であれば、「分からないものをxとおき」方程式で解く問題です。
しかし、これも文章のとおりに絵をかくと、あら不思議!答えが見えてしまうのです。

どんぐりでは、子供が書いた絵に対し、「同じところ」「違うところ」が目で確認できるよう、絵図に線をひいたり、同じものをワクでかこったりして、子供たちが「目で、いろいろなことに気がつくように」指導していきます。

糸山先生の添削をよーく見ると、それが分かります。説明するのではなく、見せるだけです。子供が、自分で気付くまで、待つことがポイントです。もちろん、カニ先生の添削も、そうしています。

一生懸命絵図をかき、「やったあ」と満足したあとで、「目でいろいろなことに気づく」!
そんな取り組みを続けていくと、子供たちは自然に、この問題を見ても「あれ、ケーキ5個は消せるよね。同じだから」と、目で考えるようになります。
ケーキ5個を消して、残ったケーキ1個と150円のプリンを足した代金が、80円のシュークリーム5個分の400円となり、答えが見えてくるのです。

ちなみに、方程式を使うとこうなりますね。
ケーキをxとおくと、6x+150=5(x+80)  答え 250円

このように、視考力を使うと、中学生で習う方程式も、「バランス算」という深いところから理解できるようになります。
そうすれば、中学で習う数学の勉強が楽しくなるような気がしませんか?



2007/11/6

<中学生になって、「数学嫌い」になるのは何故? その2>

実はどんぐりの問題には、本当にいろいろな仕掛けがあるのです。
年長さんコースだから、足し算ばかり出てくる、と思っていると、大間違いです。

ここで年長さんコースから、一つの問題(0MX06)を見てみましょう。

「たいようさんと、かみなりさんがかけっこをしました。たいようさんは、1にちに、ちきゅうを1しゅうしか
できませんが、かみなりさんは1にちに ちきゅうを6しゅうもまわることができます。
では、たいようさんがちきゅうを3しゅうしたときに、かみなりさんはちきゅうをなんしゅうしているでしょう」

まず、太陽と雷がかけっこをする、という設定が、子供のイメージ力をかきたてますね。
大人が読んでも、楽しいです。ほのぼのとした気持ちになります。

文章にあるように、絵にかいてみると、簡単に答えは見えてきます。
ここで、子供たちは楽しく、それぞれのイメージした「たいようさん」と「かみなりさん」を書いてくれます。

そして、重要なことは、この絵を自分の頭でイメージしながら書くことで、子供たちは、
「太陽とかみなり、1:6」という「比」の関係を、じっくりと感じることができるのです。

そして「太陽が3倍になると、かみなりも3倍になる」というのは、「比例」の関係ですが、これこそが、
中学生になると、xとyを使った式として登場することになる、「関数」なのですね。

この場合は、y=3x という式になるのですが、この「3」がいわゆる比例定数であり、変化の割合でも
あるのです。

このように見てくると、前回のコラムに書いた
「1次関数の変化の割合は一定で、xの係数に等しい(試験に出る!)」という参考書の説明を見ても、
子供たちは、「あたりまえじゃん」と理解がたやすいのです。

そもそも1次関数とは何なのか、このように絵や図をかいて、「本質」から見ていくと、中学校の数学も
ラクラク理解できるのです。しかし、通常の中学校の授業では、そこまで時間をかけて、しっかりとは
教えてはくれません。

先生によって違うのかもしれませんが、少なくとも私(カニ先生)の記憶の中では、中学校の数学の授業は、
「公式を説明し、基本問題を解き、応用問題にうつっていく」作業の繰り返しであったように思います。

これでは勉強がつまらなくなるのは、仕方の無いことかも知れませんね。



2007/10/29

<中学生になって、「数学嫌い」になるのは何故? その1>

先日、ベストセラーになっている「最短で結果が出る超勉強法」という本を読みました。

この本を書いた荘司雅彦さんという方は、東大文1、司法試験に2年以内に合格し、さらに自分で指導して、
お嬢さんを「女子御三家」に合格させたという、勉強法のカリスマです。

その中に、大変興味深いことが書かれていましたので、ここに抜粋させていただきます。

「実は昔の私は、すべての知は役に立つ、とは全く思っていませんでした。しかし、社会人になり、
私の経験は一変しました。これまで机上で学習してきたすべての知が役に立つ、と気づいたのです」

「特に数学については、社会でもっとも無意味なものだなどと、不遜なことを考えていたのですが、それが
ひっくり返りました。金融論や経済学の分野で頻繁に数式が使われるのは当然として、法律学でも、ミクロ
経済学の知識(数学の知識)が必要です。わが国の法解釈学でも、数学的な論理力が必要とされます。」

私(カニ先生)は、金融論や経済学は分かりません。しかし、これからの時代を生きる子供たちは、文系の
学問をするにしても、専門的に極めるには、数学的なセンスや理解力が必要だ、ということなのです。

とはいえ、算数が「数学」になる中学生になると、「テストのたびに、数学が足をひっぱる」「時間をかけて勉強
しても、関数や方程式が、全然分からない」という状態に陥る子供が、決して少なくはないような気がします。

教育関係者の間には、「七五三」という言葉があります。これは学校での「授業が分かる度合い」が、
小学生で7割、中学生で5割、高校生で3割にとどまる、ということを、子供の行事から皮肉って?表現して
いる言葉です。


そして、中学生の「授業が分からない」の多くは、数学である場合も多いのですね。

では何故、多くの子供たちが中学に入って「数学の授業が分からなく」なってしまうのでしょうか?
保護者のみなさんは、何故だと思われますか?

私(カニ先生)は、算数、数学という学問が、階段を積み重ねていくように、一歩ずつ段階的に学んでいく
ものであるにもかかわらず、多くの子供たちが、学校で習ったことを、「解き方を覚えて、表面的に問題を
こなし」、「本質的なことを、しっかり理解しないまま進級・進学していく」ことに原因があるのではないかと
思います。

たとえば中学に入って習う「1次関数」ですが、これは中学生の参考書によれば「yがxの1次式で表される
とき、yはxの1次関数であり、y=ax  + b の式で表される」と説明されています。
さらに、1次関数の変化の割合は、一定でxの係数に等しい、(試験に出る!)とかかれていますが、
これだけ見ても「何のことやら」さっぱり分かりません。

しかし、このy=ax というのは、どんぐりの文章題を小学生のうちにしっかり取り組んでいたお子様は、
難なく理解することが出来るのです。(次回に続く)



2007/10/21

<都立中高一貫校「小石川中等教育学校」に行ってきました>

10月14日の学習相談会(東京会場)は、初めての試みでしたが50名もの皆さんにご参加いただき、皆さんのご協力のもと、無事に終了することができました。本当にありがとうございました。

当日は、「糸山先生による特別講義〜良質の算数の文章題について」、「無理無駄のない中学受験のタイムテーブル」、そして何よりも、「タカヒロ君のお父様による体験談」と、盛りだくさんの内容でした。これらのビデオは、このホームページにも会員向けコンテンツとして順次追加していきますので、もうしばらくお待ちください。

さて、私(カニ先生)は、14日の学習相談会の後、せっかくの東京滞在の機会をいかし、いくつかの学校を訪問して、情報収集をしてまいりました。

最初に出向いたのは、東京都立小石川中等教育学校です。(その後、公立の中高一貫校では桜修館中等教育学校や、九段中等教育学校(千代田区立)にも行ってきました。)

小石川中等教育学校というのは、訪問して驚いたのですが、平成18年に文部科学省の「スーパーサイエンススクール(SSH)」に指定されており、「理科好き、数学好きを育てる自然科学教育の推進」に力を入れています。

そして、土曜日に行われている「小石川セミナー」では、大学教授など第一線の研究者を講師として迎え、科学の最先端にふれる講義が行われています。「ストレスの科学」、「物質の究極への挑戦」などのテーマは、大人でも「さっぱり分からん」となりそうな内容ですが、子供たちは非常に熱心に参加しているとのこと。

この学校で「楽しいなー」という学校生活を送るには、相当の知的好奇心や理解力(言葉をイメージ化する力)が必要なのではないかと、改めて思い知らされました。

では、こういう中高一貫学校に入るには、どんな勉強をしたらよいのか。保護者の皆様にとっては、一番興味のあるところだと思います。 理科の先生と思われる、白衣の優しそうな先生に、「受験のためには、どんな勉強をしたらいいのですか?」とストレートに訊ねてみました。

 小石川中等教育学校の先生の答えは、意外とシンプルでした。
 「本を沢山読んでいる子がいいですね」、そして「いろいろな体験をしている子がいいんです。」

では、何故いろいろな体験をしている子がいいのでしょうか。

このホームページのコラムでも、以前に「学力のもとはドリルではなく、体験的に入力された豊富なイメージです!」という内容のことを書いたのを覚えていらっしゃいますか?

中学校以降の知的系統学習、さらには大学レベルの講義に興味を持ち、話を聴いてなおかつ理解するには、相当の理解力つまりは「学力のもと」が必要なことは、いうまでもありません。

著名な教育学者である汐見稔幸先生(05年まで東京大学教育学部付属中等教育学校の校長)は、子供時代に育てたいのは「自主性」と「好奇心」だと主張されています。なぜならば、子供の知的能力は、体験→情緒(感動・疑問・発見)→知育→勉強の順番に育っていくもので、この土台部分(体験)が大きければ大きいほど、子供の知的能力も大きくなるからなのです。

このように見てくると、「子供のころ遊んでばかりいた子が、中学校以降に急激に伸びた!」という理由がよく分かりますね。

すごく単純に考えると、子供のころに「海で自由に遊んでいて、カニを見つけた」→「カニはどこに住んでいるのかな?何を食べているのかな?と疑問をもった」→「小さな生き物の生態に興味をもった」→「学校で勉強したら、面白かった」ということなのではないでしょうか。(次回に続く)


■私たちは、今回の上京で、いくつかの中高一貫校の入試問題の実物を入手して戻ってきました。入試問題の研究については、専門のコーナーを作ることになると思いますのでお楽しみに。■



2007/10/12

<中学受験 公立中高一貫校に入るには>

最近、公立中高一貫校の受験に関するご質問が多く、14日の学習相談会でも質問をいただいております。

多くの皆様の興味のある内容だと思いますので、ここで簡単にまとめてみたいと思います。

実は私(カニ先生)の3歳8ケ月になる甥(もうすぐどんぐりをスタートする予定)も、小学校を卒業したら、私が勝手に「ここがいいかな?」と思っている、公立中高一貫校があります。

・・・・ちなみに卒業後は、「海外に留学したらいいかな?」と思っています。
何故留学がよいと思うのか、についてはメールにて個別にお問い合わせください。

少し話が脱線しましたが、東京都内では昨年公立中高一貫校が4校開校し、志願者が殺到しました。

中でも人気の高い都立小石川中等教育学校ですが、実は初年度に合格した子供たちの偏差値はものすごくばらばらでした。塾の偏差値では60を超えている子もいれば、30台の子もいたのです。これは、公立中高の「適正検査」の内容が、私立中学の入試問題と全く異なっているからなのです。

つまり、偏差値でははかれない、これから伸びるであろう「将来性のある子」を求めているのです。

では、「本当に将来性のある子」とは、どんな子供なのでしょうか。

私は、間違いなく、「12歳までに絶対学力を育ててもらった子」であると思います。

中高一貫では「資料を読み取り、記述する問題」が出題されます。これを塾に通って、パターンでこなそうとしては・・・・・いけません。

小石川では、初年度「自分の考えをかけなかった子が、何と多いことか」という出題者側のコメントがありました。
そして翌年には「なんて似たような文章が多いことか」という嘆きに変わっていたそうです。
これでは、合格できないのが、公立中高一貫の現状だと、親御さんたちは覚悟をされてください。

では、公立中高一貫校に合格する力を、無理なく家庭で身につけるには、どうすれば良いのか。

次回は、さらに詳しくご紹介していきます。



2007/9/29

<「工夫する」、「考える」態度とやり方を教えるには!>

先日本屋さんで見つけた「10歳までに決まる!頭のいい子の育て方 VOL2」(学研ムック)という本を買いました。以前このオンラインのコラムでも取り上げた「フィンランド式学習法」や「マインドマップ」が、特集されていたからです。

本の中で、編集部が「お子さまに身につけて欲しい力は何ですか?」という保護者向けのアンケートを実施した結果が掲載されていましたが、それもまた、興味深いものでした。

お父さん、お母さんが考える、子供に身につけて欲しい力のナンバー1は、「深く考える力(25%)」だったのです。そして、「たくましさ(15%)」「社会性(13%)」「思いやり(12%)」「創造力(9%)」と続きます。

やはり保護者のみなさんも、「子供にとって大切なのは知識量ではなく、社会で役立つ思考力や、工夫する力である」ということを、よく分かっておられるのだな、と私は感じました。

では、この「深く考える力」や「失敗をおそれない、たくましさ」は、どのようにすれば身に付くのでしょうか?
実は、どんぐりの算数の文章題で、しっかりと身につけることができるのです。

先週の日曜日(23日)、東京での学習相談会に向けて、糸山先生のDVD講義の収録を行い、「良質の算数の文章題の取り組み方について」15分ほど話していただきました。その中で、私(カニ先生)が、あらためて「おお!」と思ったことがあります。

どんぐりの問題に取り組む上で、指導をされるお父さん、お母さんたちが、一番悩むのが「ヒントを出してはいけません」「一度しか読んではいけません」のところではないでしょうか? これがよく分からなくて、「どんぐりって難しそう」「何かよさそうだけど、うちの子にできるかどうか、不安だわ」と、躊躇されているお父さん、お母さんが多数いらっしゃるように感じます。

この二つに関しては、今回のDVDで糸山先生から、「目からうろこ」のアドバイスをいただきました。

まず、「一度しか読んではいけません」について。
実は「1文ずつ区切りながら、子供がイメージを浮かべて絵が描けるペースで、ゆーっくり読んでもいいのです」とのこと! 私たちはつい、普通に読んで、それで一回で読み取るのは無理だ、と思ってしまいますが、逆転の発想ですね。ゆーっくりでもいいのです!

次に「ヒント」について。どんぐりでは、こんな風に子供に声かけをします。
「絵をかいてみようね。絵の中に答えが見えるよ」、「絵を動かしてみると、答えが見えるよ」

ここで「こんな風に絵を動かすの!」、「こんな風に解くの!」と教えることが、実は「ヒントを出す」ということだったのです。また「絵を動かしてごらん」と言葉かけをすることで、子供たちに「考える」、「工夫する」という「態度とやり方」を教えるのです!

「考える」とは、視覚イメージを操作することですが、(私たちも自分が考えているときの状態を思い浮かべるとよく分かります。詳しくはオンラインのDVD講義で!)
これが分からないと、子供たちに、あいまいな指導をすることになってしまいます。

「よく考えなさい」と子供に厳しく言う前に、では「考えるとはどういうことか」、具体的にそのやり方を教えてあげることは、とても大切なことなのです。

■このコラムを読んでおられるお父さん、お母さんがたへ

どんぐりの文章題の中で「絵を動かしてみる」とは、どういうことか。これは、残念ながら自分でやってみないと、ピンときません。是非みなさんも、小学校2年生コースくらいから出てくる「連立方程式」の問題を絵図で解いて、実感してくださいね



2007/9/20

<どんぐり方式は、中学受験に強い!>

最近オンラインメンバーに登録された複数のお母さまが、次のようにコメントされているのを、私(カニ先生)は、とても興味深く拝見いたしました。

「小学校4年生から塾に行きはじめ、どんぐりをやらなくなりました。今受験学年になって、あらためてどんぐり方式の重要性を、認識しています」

どんぐり教育研究会には、中学受験についてのお問い合わせが非常に多いのですが、それに対して私なりに思うところがあります。それは、糸山先生はあまり強調されないのですが、実は「どんぐり方式は、中学受験にものすごく強い」のではないか、ということです。

一般的に言われることですが、やはり算数の出来は中学受験の決め手になります。そして中学受験では、いろいろな特殊算を解かなくてはいけないのですが、比を使えば、いろいろな問題を楽に解くことができます。

この割合と比の問題は、どんぐりでは小学校中学年くらいから、「これでもか!」というほど、どんどん出てきます。(学校では、「割合」は5年生、「比」は6年生で学習します)

一見難しいのですが、もぐらやクジラが出てきて楽しいから、そんなに嫌がらずに取り組めるのですね。

これらの問題を、どんぐりでは子供たちが自分の頭でとことん考え、「視考力」を使って、絵図で答えを導き出します。

もちろん、最初から正解にはなりません。(解けなかった問題は、そのつど答えを教えてもらうのではなく、わからん帳に入れておきます)

こうして、どんぐり問題を絵図で解きながら、自分であれこれ工夫して、頭の中を???でいっぱいにしておくと、あるちょっとしたヒントから「分かった!」と砂が水をすうように、理解してしまう瞬間がやってきます。

すると、これまでわからんちょうに入っていた同じタイプの問題は、全部解けるようになるのです。

それに対し、塾などで特殊算を教える場合は、「これは、こうやって解くんですよ」と、旅人算、周期算、鶴亀算、食塩水、仕事算と、それぞれの解き方(式)を教え込むやりかたです。ですから、「算数とは、解き方を習い、暗記する勉強なのだ」と子供たちが思ってしまっても、決しておかしくありません。

すると、どうなるでしょうか?

今まで見たことがない問題を目にすると、「これは習っていないから、出来ない」・「解き方を知らない」と思考停止になってしまう子が実に多いこと!

これでは、同じ鶴亀算でも、少しパターンが変わると手も足も出ない、ということになり、算数の勉強に大変な時間を割くことになりがちなのです。

一方、どんぐりの700題を受験までにしっかりやったお子様なら、決してそんなことはありません。詳しいことは、糸山先生の新刊の中学受験のページをお読みください。



2007/9/12

<イメージできれば、国語の読解力もあがる!>

私(カニ先生)が英語の講師をしていたとき、レッスンの前後に子供たちが残って、せっせと宿題をしているのをよく見ました。その宿題を、お母さんたちが、チェックしてあげる光景をみるのが、何となくほほえましくて、私は好きでした。

糸山先生のいわれる「宿題3点セット」の一つが、音読です。子供たちが教科書をすごい勢いで読みます。早口言葉のようです。それを聞いて、お母さんたちが、「よし!」となにやらノートに書き込んでいました。

それを見ながら、当時の私は、「教科書の音読か〜。感心、感心。」と思っていたのですが、同時に「もうすらすら読めるのに、宿題にして、何の意味があるのかな?」という素朴な疑問もこっそりと感じていたのでした。

最近、オンラインメンバーに登録されているお母さんたちから、「うちの子は、国語の読解ができません。国語力がないようです。どうしたらいいのでしょう」というご相談を、多数いただいております。

一般的には、こういうご質問に対しては、「それは読書をしないからです。読書をしましょう」という回答をされる先生が、多いのではないでしょうか。または、「それは音読をしないからです。声に出して読む習慣をつけましょう」という回答も、一部あるかもしれません。(よく雑誌の教育相談などで見受けられます)

しかし、私はそういう回答はしません。

読書や音読は、継続すれば、「字を読むのが気にならなくなる」「忍耐力がつく」など、確かによい効果をもたらすものだと思います。しかし、特に「音読をしていれば、読解力がつくか?」というと、それは「そういう子供さんもいるけれど、絶対ではない」という、不確かなものでしかないと考えます。

そもそも、何故子供が「国語の読解が苦手」になってしまうのでしょうか?それは、文章に書いてあることを、「イメージすることができない」からなのです。

お母さんたちも、是非ご自分でやってみることをおすすめします。難しい中学入試の読解問題に、一度チャレンジしてみてください。(小説の一部など、心情理解のものにしましょう。)主人公はどうしてこういう行動をとったのか、ひっかけ問題で、迷います。音読してみましょう。やっぱり、分かりませんね。
(少なくとも私は、音読しても理解が深まることはありません)

今度は、その「引っ掛け問題」に該当する本文を、じっくり読み、頭の中のスクリーンにその状況を思い浮かべてみることにします。登場人物の配置、表情などをイメージしてみます。すると、どうでしょう。

選択肢の中から、「一番ぴったり」くるものを、あっという間に選ぶことができました。答えを確認すると、見事正解でした。(私の経験からいうと、イメージできれば、中学入試の難問でもすいすい解けますよ!)

私(カニ先生)は、子供のころから国語だけはわりと得意だったのですが、無意識のうちに、いつもこの「頭の中のスクリーン」に情景を思い浮かべて解く、ということをやってきたような気がします。

このように見てくると、小学校低学年まで、読み聞かせが重要な理由もよく分かりますね。(読み聞かせの本当の意味については、糸山先生がDVD講義で話されています)

また、「イメージしながら、じっくりゆっくり行う」読書と、ただ読みとばす読書の違いも、分かります。まさに、国語の読解でも分かるように「イメージできれば、学力はぐんぐん伸びる」のです。これはまさに教育界においては、コペルニクス的大発見ではないでしょうか?



2007/9/4

<ゆとり教育の部分修正>

8月30日、学習指導要領の改定作業を進めている中教審の小学校部会は、小学校3年生以上で週3時間程度実施している「総合的な学習の時間」を週1時間程度減らし、国語、算数など主要な五教科の授業時間数を全体で1割程度増やすという素案をまとめました。

1977年以来続いている授業時間数削減の流れを30年ぶりに転換し、「ゆとり教育」を部分的に修正することになりますが、素案の骨子は、以下の通りです。

☆主要五教科の授業時間数を全体で1割増やす
☆「総合的な学習の時間」を週1時間程度削減
☆高学年で週1時間程度、体験型の「英語活動」の授業を実施
☆各教科の授業で積極的に表現力、判断力、思考力を育成
☆学校週5日制は維持

ここで注目すべきは、「総合的な学習の時間」に関する総括が何もなされないまま、週1時間の削減が決定され、さらに現場での十分な議論や準備がないままに、「小学校への英語活動」が導入されることだと思います。

私(カニ先生)は、子供英会話の講師をしていた経験から、(ゼロ歳から中学3年生まで、外国人講師と一緒に担当していました)この決定に関しては、???という部分もあるのですが、それよりもさらに、「???」なことがあります!

それは、主要教科の改善について、次のように例示されているところです。

1)漢字や計算など、基本的な知識・技能を反復訓練で強化

2)言葉や数式、図を活用したリポート、発表などで表現力を育成

私は、2については、ある意味賛成です。しかしそれには、条件がつきます。それは、表現力の育成は、「子供たちに、考える力をつけた後で!」ということなのです。

以前、小学校低学年の子供たちに毎週作文を書かせていたことがありましたが、正直「なにか無理があるなー」という感想でした。

私の感覚から言えば、小学校中学年までの子供たちに、例えば地球環境のことについて、作文をかいてもらっても、はっきり言って何も出てきません。無理やり書こうとして、本当に表面だけを軽くかじったような、「まねっこ作文」をしぼりだすのが精一杯です。

どんぐり倶楽部のホームページの、「表現力」に関する項目も、じっくりお読みいただければと思います。

お子様が通われている学校で、表現力養成がどのように指導されていくのか、保護者のみなさんは是非気をつけて、見てあげてください。(自分の子供は、自分で守るしかないのです)

さらに、1の反復強化については、当ホームページでもいろいろと参考記事が掲載されています。

もっと詳しく知りたい方は、是非9月に発売される糸山先生の新刊をお読みください。ただいま、楽天にて予約受付中です。URLは、こちらです。↓

http://item.rakuten.co.jp/book/4500733/




2007/8/23

<気づいていますか?お子さんの才能>

教育の現場で、多くのお母さんとお話していると、「うちの子は本当に将来、どうなってしまうのでしょう。片付けはしないし、そそっかしくて、計算まちがいばかりするし・・・・」といった、ため息まじりの相談をもちかけられることがよくあります。

私(カニ)、の目からみると、「感性がゆたかで、情緒が安定していて」「この年齢にしては素晴らしくよくできたお子様」に思えるのですが、お母さまからみると、お子様の欠点がどうしても目につくようでした。

私の経験からみると、親(お父さん、お母さん)は「自分の願望」という色眼鏡をかけて、子供を見てしまう場合があるように思えます。

学校の勉強がよくできて、お友達とも仲良く遊べて、スポーツ万能で、芸術の才能を発揮し、家のお手伝いもよくやってくれる、そんな理想的な子供は、・・・・・残念ながら一人も会ったことがありません。

子供は一人一人違います。親子、兄弟でも、もってうまれた才能や好みが、全く違っている場合もあります。

そして、ほとんどの子供は、「何もかもはできません」(大人もそうですが・・・・)しかし、誰にでも、どの子供にも「これなら頑張れる」「夢中になれる」ということがあるはずです。

1980年、ハーバード大学のハワード・ガードナー教授は、「人間には7つの異なる才能がある」と発表しました。

1)言語的才能

2)数学的才能

3)スポーツの才能

4)芸術の才能

5)人間的な才能(友人を作ったり、人のことを考えて行動し、世の中の役にたとうとする才能)

6)環境的な才能(花や昆虫など、自然環境に対して興味や親しみを感じる才能)

7)自己管理の才能
    (内省的才能ともいわれ、自分をコントロールし、失敗にくじけなかったり、人を思いやったりする才能)

親からみると、「のんびりしていて」「少しも進歩していないように見える」子供であっても、実は見方を変えると、7つの才能のどれかが優れていたり、その部分が伸びている時期であったりするのです。

もうすぐ新学期がはじまります。この夏休みを振り返り、わが子をいろんな角度から観察して、「今この子は何に興味をもっているのかな」「どんな才能が伸びているのかな」と気をつけて見てあげましょう。新しい発見があるかもしれません。




2007/7/31

<親も子供と、同じことをしてみましょう>

最近、「どんぐりころころ小学校」(リンク集をご覧ください)で、「デンタくん」のことが、ふれられています。(是非一度、のぞいてみてください。いかに子供が楽しく算数の勉強ができるか、多様な工夫が満載です)

糸山先生は、世の中一般に出回っている、百玉そろばんやタイルなど、すべての教具を自分自身で使ってみた経験から、「子供に算数を教えるのに、人間の指にまさるものはない」という結論に達したと語っています。

私(カニ先生)は、幼児教室で、子供たちに百玉そろばんやおはじきを使って、足し算、引き算を一生懸命に教えていました。しかし、「子供にとって、分かりにくいような気がする」という以前に、まず講師である自分自身が「百玉を上手に使えなくて、おたおたした」(不器用なので……泣)という苦い経験を持っています。

そこで、デンタくんのことを勉強した時点で、早速自分でいろいろな計算をしてみました。

「8+5は?えっと、百玉だと、これをこう動かして、こうするんだよね。じゃ、デンタくんは?頭の中で指をイメージして…、あれれ、全然ラクにできるんだ!」

子供にさせるまえに、何でも自分でやってみようと、百マス計算にも挑戦してみました。
しかし、・・・・・一言で言うと、「途中でいやになりました!」
何故ならば、とてもツマラナイからです。

何となく、「考えるな!」「ひたすら速く作業をする、マシーンになれ!」と、そんな指令が脳の中で生まれているような、変な気持ちにさえなってきます。(私だけかもしれませんが…)

さて、このコラムを読まれているみなさんは、ご自分で百玉そろばんを使ったり、百マス計算に取り組んでみたことが、ありますか?

まだないのであれば、是非取り組んでみることをおすすめいたします。

そして、時間を見つけて、このホームページにアップされている、どんぐりの算数の文章題にも、是非チャレンジしてみてください。

できれば、サンプル問題にある年長さんコースから、6年生コースまでの問題のすべてを、自分で絵をかいて、糸山流4点セット「絵図、計算式、筆算、答え」で解いてみることをおすすめいたします。

私(カニ先生)自身がそうだったのですが、自分でやってみる前は、何故絵図をかくことが思考力養成の要となるのか、深くは理解できませんでした。「何でおえかきが、大事なのか?」と、知り合いのお母さん達から質問されて、「おえかきではないんだけど、・・どうやって説明したらいいのかな?」と、しどろもどろになってしまったこともあります。

しかし、自分でどんぐり問題を解きはじめてから、よく分かってきました。

「あれ、本当に絵から答えが見えてくる!絵図を動かすと、考えられる!」
「絵をかくのって、楽しい!」
「ありんこやハムスター、うんこなど、子供の好きなものが沢山出てきて面白い!」

さらに、全学年を通してながめてみると、足し算、引き算、掛け算、割り算と、階段をのぼるように、自然に無理なく準備学習ができるよう、問題が作られていることにも気づきました。

子供に「勉強しなさい」「早くしなさい」としかる前に、是非この夏は「子供のやることを、親も一緒にやってみる」ことにチャレンジしてみませんか?



2007/7/24

<何故、体験的学習が必要なのか (2)>

◇お金に強い子は、算数に強い◇

以前、小学校1、2年生の子供を持つお母さんたちから、こんな質問を受けました。

「先生、子供のお小遣いは、どうすればいいのでしょう。お手伝いをしてくれたら、そのつどあげるべきでしょうか?それとも、定額いくらにしたほうがいいのでしょうか?」

これは、とても難しいテーマです。

お金に関することは、それぞれのご家庭によって考え方が違います。「○年生は、○○円にしてくださいです」とか「こういう風にあげてください」とか、いちがいにはとても言えません。

子供自身にお小遣いを管理させる、というのは、将来に向けた「自立のためのトレーニング」「金銭教育」という大きな意味があります。しかし、私(カニ先生)は、算数に強い子供に育てる、という意味からも、是非お子様の「お小遣いトレーニング」を、おすすめしたいと思います。

最近の話ですが、小学校低学年の子供をもつお母さんたちが、一様におっしゃることがあります。
「先生、うちの子は、大きな数が分からないみたいなんです。もう学校で1000まで習っているのに、100以上になると、全然分かっていないんですよ。どうしたらいいのでしょう」

具体的にお聞きしてみると、たとえば市販のドリルなどでよくある「500、550、その次は?(600を穴埋めする問題)などが全然分からなくて、何度教えてもそのつど間違ってしまう」というのですね。

みなさんは、どうしてだと思われますか?

私(カニ先生)は、やはり大きな数字に関する体験的学習が少ないがために、イメージできないのではないか、と考えるのです。

どんぐりの良質の算数の文章題の、小学校2年生コースの中に、こんな問題があります。

「ダンゴム市の人口は、みんなで720人です。今、男の人の列と、女の人の列に各々1列に並んでもらっています。列は、女の人の列が男の人の列よりも20人多いことが分かりました。では、男の人の列には何人が並んでいるでしょう」

さて、みなさんも一緒にこの問題に取り組んでみましょう。

まず、「女の人が男の人より20人多い」ので、これを合計720人から引いてみます。
次に大人が考える場合には、「700割る2で、350」と答えを出すのですが、2年生はこんな割り算は、まだ習っていません。

しかし、子供たちは「しっかり」「絵図で」考えていきます。あるお子さんは、700を、「600と100」に分けました。そして、「600の半分は300、100の半分は50」だから、「300と50を足して、350」と見事に正解を出しています。

「習っていないもん」とぐずるのではなく、「絵にかけば答えは見えてくる」「工夫して考えると、楽しい」ということを、どんぐり問題を通して、子供たちは実感していくのです。

実はこのお子さんは、100円玉を絵にかいて、考えていたのです。1000未満の大きな数を考えるには、お金からイメージするのがやりやすいのですね。

しかし、「100円の半分は50円」とイメージするためには、自分で1000円未満のお金を管理し、いくら使ったかを計算したり、残りのお金で何を買おうかと考えたり、そういう体験的学習は最も効果あるトレーニングなのです。

よく教育関係者の間では、「お金に強い子は、算数に強い」と言われます。

まずは、夏休みのお小遣いをどうするか。ご家庭できめたルールにそって、「お小遣いトレーニング」を、はじめてみましょう。




2007/7/8

<何故、体験的学習が必要なのか (1)>

最近、数人のお母さんから、同じ質問を受けました。

「先生、うちの子は理科ができないんです。教室で先生が何を言っているのか、全く分からないって言うんですよ。本当に困っています。どうしたらいいのでしょう」 そして「私たちが子供のころには、小学校の理科くらい、誰でも分かったような気がするんですけどねー。変ですよねー」と、不思議な顔をされるのです。

以前の私(カニ先生)ならば、お母さん方と一緒になって不思議な顔をしていたところですが、今ならば「最近の子供たち」が、理科が分からない理由も、分かるような気がします。

ここでお母さんたちに気づいて欲しいのは、子供たちが何を訴えようとしているのか、その本質は何なのか、ということです。

子供たちは一様に「理科の時間に、先生の言っている言葉が分からない」と言っているので少しややこしいのですが、本当は「先生が言っていることが、全然イメージできない!だから、分からないよ!」と言いたいのではないか、と私は思えてなりません。(もちろん本当に、理科に特有の言葉だけが分からない、という場合もあります。それならば、その分からない言葉を、別の言い方で教えてあげればいいのです。)

しかし、「理科の時間に、先生が言っていることがイメージできない」本当の原因は、もっと別のところにあるような気がします。

糸山先生の「新・絶対学力」にも書いてあるように、学力のもとは、「体験的に入力されたイメージ」です。自分でやってみるとわかるのですが、たとえばみなさんは、「高い、低い」という言葉から、何をイメージするでしょうか。私の場合、児童期に「たこあげ」をしたときのことを、すぐにイメージします。凧がたかーく、たかーくあがっていく感じです。(これはたこあげが、すごく面白くて、感動したからだと思います!)

幼児教室や英語の教室で子供に「高い、低い」を教えるために、いろいろなカードを使い、毎日のように見ていた時期がありますが、「どんな絵だったかな」と思い出そうとしても、全く何も浮かんできません。

話を理科に戻しましょう。理科で昆虫や植物、乾電池と豆電球、星座など、いろいろなことを勉強します。しかし、最近の子供たちはそもそも自然の中でたっぷり遊んで四季の変化を感じたり、小さなありや虫を観察したりする体験が、かなり少なくなっているような気がします。

今、30代、40代の子育て世代が育ったころは、今よりもまだ周囲に自然が残っていて、みな田んぼで季節の花で首飾りを作ったり、森にかぶと虫をとりにいったり、広場で鬼ごっこをしたり、ということをしていたような気がします。

そんな体験の中で、自然に植物や動物や昆虫に関する多様な情報が入力されていたのです。天気や風の向き、雲、といった気象に関することも含めてです。たとえば、田んぼの中に座って蓮華の首飾りを作る、という遊び一つとっても、自然の中にいるだけで五感にさまざまな情報が入ってきます。(土を触ったりするのは、セラピーにもなります)

そんな子供時代をすごした親たち世代だから、「理科くらい誰でも分かる」ものだったのではないでしょうか。育った背景が大きく異なっていることを考えずに、うちの子は、こんなに簡単なことも分からないなんて、とお子さんを責めるのは、ちょっとかわいそうです。

子供たちが、理科の時間に「先生の言ってることが分からない」と訴えるのは、その内容に関する「体験的に入力されたイメージ」が少ないからなのです。(続く)



2007/7/1

<両手の10本の指で、10の補数が簡単に身に付く!>

最近では、小学校にあがる前から、おはじきやブロック、タイルを使って足し算、引き算まで教えたり、百マス計算をしている幼稚園や幼児教室があります。

私(カニ先生)も、3、4歳の子供たちと一緒に、おはじきを使って5の合成や、10の合成をせっせとやっていました。

子供に算数を教えるには、という本に必ず書かれているのが、このおはじきを使った「あてっこ遊び」です。
やりかたはとても簡単で、5の合成の時には「ここに5個おはじきがあります。今机の上に3個あります。では、先生の手の中には、いくつあるでしょう」と聞くのです。

何度やっても、なかなかできるようにはなりません。
そんな時、私たち大人は、「何でこんなことが分からないのか」と、ついイライラしてしまうものですが、実は幼児から小学校低学年までの子供にとって、「数のセンスを身につけていく」のは、とても大変なことなのです。

まず、モノが正しく数えられるようになるには、
(1)数詞が順番にとなえられる。
(2)となえながら同時にモノを指にあてていく。
(3)最後にとなえた数詞が全体の個数をあらわすことが分かる。
という段階をふまなくてはいけません。

早い、遅いはあっても、大体「5歳から7歳くらい」で達成できるといわれています。
(というより、そのくらいまでかかるのです!)

「うちの子はお風呂でいつも10まで数えてます」よくお母さんたちが言われます。しかしとなえることと、数が分かることはまた、別なのです。

「いつも4を飛ばして数える」など、お子さんによっては、それぞれの癖があります。そのたびに、「カリカリ」怒るのではなく、じっくり、ゆっくり、子供たちの発達にあわせた「無理なく無駄のない」家庭学習を進めていきましょう。

そこでお風呂の中で(場所はどこでもいいのですが)両手の指を使って、10の補数まで簡単に身につけることができる親子遊び(フィンガー・イメージ)をご紹介しましょう。(ここで10の補数とは、2と8、3と7など、足して10になる数字のことを言います。足し算、引き算の基本になる概念です)

子供に目を閉じてもらいます。

まず、前述の2,3の段階があやふやなお子さんには、指折り算を教えてあげましょう。1,2,3ととなえながら、順番に指を折っていくのです。3のところでストップしたら、3本の指を一塊にして、「こっちは何本かな」「3本だね」というのを繰り返します。

次に5の合成にチャレンジしましょう。
子供の指を2本、親の手でつつむようにして折り曲げます。そのまま「曲げていない指を思い浮かべてごらん」と聞いて、曲げていない指をイメージさせます。ここでのポイントは、指を折り曲げたときに、伸びている指の姿を頭の中で思い描くように言葉かけをすることです。

5の合成ができるようになったら、同じように10の合成にもチャレンジしてみましょう。
このイメージがしっかり頭に入っていると、繰り上がり、繰り下がりの足し算、引き算もラクにできるようになります。

お母さん、ぜひ今日からはじめてください。




2007/6/26

<子供が伸びる!楽勉のすすめ>

「親力で決まる」など、多くの本を書かれている親野智可等(おやのちから)先生の本に、こんなことが書かれていました。

「勉強って、鉢巻きして机にかじりついてやるようなイメージがあると思うんです。勉強とは、ストイックなもので、何かを犠牲にして取り組むべきものという固定観念がある。その固定観念が子供にプレッシャーを与えるだろうし、親のほうにもプレッシャーを与えてしまうという傾向が、いまだに残っていると思うんです」

「でも、社会ではじめて県の勉強をやるときに、家で日本地図のジグソーパズルで遊んでいた子は、遊びの中で身についてしまっていた。そうすると、何の苦労もないし、それが授業にも実際に生きてくる。自分の自信にもつながるのです」

親野先生は、23年間の小学校教師としての経験から、「こうすればもっと勉強が楽になる」「楽しくなる」というさまざまなアイディアを提案し、「ラクラクと楽しみながら勉強できる」、「楽勉」が、親御さんたちにも好評なようです。

「勉強とは鉢巻をしめて」、「ストイックにやるもの」というイメージをもたれている保護者の方は、意外と多いのではないでしょうか。(私も以前はそうでした)

しかし、どうでしょう。
学力世界一のフィンランドは、学校での授業時間数は、「ゆとり」教育の日本よりも、少ないのです。

また、国語の授業でギリシャの物語が出てくると、ギリシャ神殿の模型をつくる図画工作にまで発展するなど、すべての教科が日本でいうところの「総合的な学習」のようであるといわれています。

私(カニ先生)が以前に訪れた同じ北欧の国デンマークでは、小学校での環境教育に野外バスが使われていました。

教室の中での授業ではなく、バスにのって遠足のように森の中に出て行って、いろいろなものを見たり、スケッチしたりしながら、環境のことを学ぶのです。「何か遊んでいるみたいだな」と、そのときはそんな感想を持ちました。

実は小学生の子供たちにとっては、「遊び」が日常で、「机に向かう」ことは、非日常なのです。この「非日常」の時間にすべてをつめこむのではなく、日常の中に勉強を溶かし込んでいく、そうすることで、何ら力むことなく子供はぐんぐん伸びていきます。

次回からは、そんな具体的な「子供が育つ親子遊び」を、少しずつご紹介していきます。




2007/6/21

<自立を最大の目標にしているフィンランドの教育 3>

図書館利用率世界一の国

フィンランドの教育について、これまで2回続けてご紹介してきました。

最近特に注目を集め、いろいろなところで紹介される機会も多いと思いますが、私(カニ先生)が特に保護者のみなさんに知っていただきたいのは、次のことです。

フィンランドでは、義務教育が終わるまで、順位をつけたり、他人と比較したりするためのテストがないのです。これは、「小学校におけるテストや通知表など、いわゆる評価を気にする必要はありません」という糸山先生の考え方と同じです。

小学校の学習内容は、6年間かけて身につけるものが多く、子供の発達には、個人差があるものです。ある段階のテストの点数で子供を判断し、周囲が過剰に気にすることは、子供に「出来、不出来」のレッテルをはることになります。そして、「不出来」とはられたレッテルは、子供の自信をなくさせ、伸びていく大事な資質を損なってしまうことにも、なりかねません。

先日読んだ雑誌の中で、興味深い記事を見つけました。「あなたは絶対!運がいい」など、多くのベストセラーを書いた浅見帆帆子さんの、お母さまの話です。帆帆子さんは、子供のころ算数が苦手で、実際に成績もよくなかったそうです。しかし「あなたって、ママの小さいころより算数が出来て、えらいわね」と言われ続けているうちに、だんだん苦手意識がなくなっていったのだそうです。

小学校時代は、評価や出力よりも、豊かな入力(インプット)が大切です。そして、子供が自信を喪失してしまうような評価よりも、子供の知的好奇心を刺激し、もっと学びたい、という動機づけをしてあげることが、何よりも重要なことではないでしょうか。

ここでもう一つご紹介したいのは、フィンランドは公共の図書館が充実しており、図書館利用率が世界一の国である、ということです。図書館の子供むけスペースなどで、頻繁に本の読み聞かせが行われ、親子で気軽に立ち寄っていけるのです。親の帰宅時間が日本より早いので、夕食後に親が読みきかせをしている家庭も多いのです。

(読み聞かせの本当の意味については、糸山先生のDVD講義を是非ごらんください)

最後にもう一つ、ご紹介します。「小学生100冊読書日記 フィンランドメソットで本が好きになる」が、フィンランドメソット普及会より、出版されています。これは、何とシールが大好きな小学生のために、100冊の本の表紙がシールになっているのです。さらに、読んだら「読書日記」にシールを貼って、一言感想を書くようになっています。「お子さんが本を読まなくて困る」という保護者の方は、是非調べてみてください。



2007/6/11

<自立を最大の目標にしているフィンランドの教育 2>

そもそも日本と欧州では、学力観の違いがあります。

フィンランドが1位となったPISAで問われている能力とは、「コンピテンシー」といわれ、これは「どれだけ知識を積み重ねているか」ではなく、「社会に出て使える力」に焦点をあてたものなのです。その能力を裏付けるものとして、「学習力、創造力、批判的思考力、問題解決力、問題解決に積極的に参加する能力」が挙げられています。

欧州においては、80年代から90年代にかけて、若者の失業率の悪化があり、「社会にでて使える人材の育成」が大きな課題となりました。さらに、移民の流入もあり、多様な価値観のなかで、うまく生活していく能力を身につけることが重要となったのです。

そこで生まれてきたのが「コンピテンシー」という考え方でした。フィンランドは1990年代前半の一連の教育改革を通じて、子供たちの「コンピテンシー」を最大限に高める学習支援体制を実現し、その結果「学力世界一」の国となったのです。

フィンランドの教育に関しては、フィンランドの小学校で使われている国語の教科書が最近日本でも出版されており、いろいろと情報を集めることが可能です。また、あまり知られていないことですが、ビジネスの世界で非常に注目を集めている「マインドマップ」を、いち早く義務教育の中に取り入れている点でも、ユニークです。(ちなみに読解力2位の韓国でも、マインドマップを利用した教育を行っています)

マインドマップは、開発者のトニー・ブザン氏によれば、「脳のスイスアーミーナイフ」であり、思考のためのツールとして多機能であり、効率よく、多くのアイディアを出せる点ですぐれています。教育の世界では、大ヒットコミック「ドラゴン桜」で、マインドマップに近い「メモリーツリー」が登場したことで、多くの人により広く理解されるようになりました。

開発者であるブザン氏は、実は糸山先生と同じことをいっています。脳の共通言語はイメージと連想であり、言葉はそのイメージを説明する手段に過ぎない、というのです。脳にとって林檎とは、赤い物質のイメージそのものであり、「りんご」という単語ではない。そこでマインドマップには、できるだけたくさんカラフルにリズミカルに絵をかきこむことで、脳を直接刺激し、楽しませていくのです。

たとえば、勉強のためのノートのとりかたも、変わってきます。
(ご興味のあるかたは 「勉強が楽しくなるノート術 トニー・ブザン著」ダイヤモンド社 をどうぞ)

次回は、図書貸し出し数世界一、フィンランドにおける読書教育について、ご紹介します。



2007/6/4

<自立を最大の目標にしているフィンランドの教育 1>

2004年に発表された、OECD加盟国に実施された学習到達度調査(PISA)の結果は、大きな話題を呼び、以降日本においては「ゆとり教育」の見直しが論じられるようになりました。

このPISAの読解力で日本は14位、それに対し、トップの成績をおさめたのは北欧のフィンランドです。フィンランドは読解力と科学部門で1位、数学は2位、問題解決力は3位、総合では圧倒的に世界一となりました。

PISAは、15歳児を対象に3年に一度行う学力と生活調査ですが、知識量よりも思考力を重視しているのが特徴です。

暗記能力よりも、実社会で生きていくための応用力が重視されています。

日本は数学では世界6位、科学が2位と、世界的にみて決して悲観するレベルではないのですが、読解力が14位(全15か国中)と低く、総合的な学力は年々低下していることが指摘されています。

では何故日本の子供たちは、読解力が低いのでしょうか。
テレビばかり見て本を読まなくなり、作文を書かなくなったから、読解力が落ちたのでしょうか。決して、そればかりが原因ではないのです。

そもそも、PISAにおける「読解力」とは、「みずからの目標を達成し、みずからの知識と可能性を発達させ、社会に効果的に参加するため、書かれたテキストを理解し、利用し、熟考する能力」であると定義されています。

PISAのテストは、とてもユニークで、たとえば、「欧米には壁に落書きする人がいますが、これはアートであり、社会の寛容性のあらわれである、という意見と、犯罪であるという意見があります。あなたはどう思いますか、その理由とともに述べなさい」という問題が出されます。

これに対し、日本の子供たちは白紙回答をしてしまうのです。どちらかを選んでかけばいいのに、一行もかけない。ある意味で、自分の意見がもてない、判断力に乏しいといえるでしょう。

PISA調査では、物事を批判的にとらえ、自分の意見をぶつけ、相手をいかに動かすコミュニケーションがとれるか、こういう力を試しており、成熟社会において問われるのは、実はこういう力なのです。

そしてそういう能力が高いのはフィンランドの子供たちであり、その学習法は「フィンランドメソッド」として、大いに注目を集めています。

次回は、そのフィンランドメソットについて、ご紹介します。



2007/5/28

<これからの子供たちに必要な「3C」とは>

ハーバード大学教育学大学院で、認知・教育学の第一人者であるハワード・ガードナー教授と、スタンフォード大学教育学のウイリアム・ディモン教授らが共同研究した「立派な職業人の条件」というプロジェクトは、「今アメリカで成功している人の成功の秘訣は、ただ頭がいいことだけではない」ということを物語っています。

このプロジェクトでは、12の分野の専門家への綿密な調査により、今の時代に成功するには、業務遂行能力だけでなく、社会的な責任感や高いコミュニケーション能力が必要である、とそう結論づけているのです。

報告書の中では、ある有名な雑誌記者が成功の秘訣を、次のように語っています。
「取材する相手の人格と個性に関心をもち、自分より他人をまず考えることができる好奇心と我慢強さがあったことが、私の成功の要因だったのではないでしょうか」

現代の高度な情報化社会においては、インターネットに接続すれば、世界の最先端の知識をすぐに検索することができます。いくら頭が良くても、一人で完成できる知識や、一人で成し遂げられる仕事などないのです。

東京学芸大学教育学部社会学研究室の山田昌弘教授は、これからの子供たちに必要なものを「3C」と分析しています。産業構造の変化により、従来のように、「スキルアップ型」の職につき、勤勉に働いてさえいれば、雇用が保証され、収入もあがっていく、という時代ではもはやなくなっているのです。

山田教授は、この変化の激しい時代に子供たちに求められる3Cとは、
1.コミュニケーション能力
2.創造力
3.美的センス
としており、これは皆、「家庭環境によって育つものである」と指摘しています。

(いつもコラムを読んでくださるお母さま、お父様、ありがとうございます。感謝します。)



2007/5/22

<社会人基礎力の3つの能力とは?>

少し前のことですが、「うちの子、指示待ち族で自分からは何もしたがらない。ニートになりそうで怖い」というお母さまの不安をお聞きしました。また別のお母さまが、面談のときに、「この子にはとにかく、何らかの仕事を自分で見つけて、生きていく力をつけてもらえれば、それでいいんですが・・・」と話されていたことがあります。

仕事をする、ということは、ただ単に生きていくために必要なお金を稼ぐ、というだけではなく、大変重要な意味を持っています。

サミュエル・スマイルズは、その著書「自助論」の中で、「人間は読書ではなく、労働によって自己を完結させる」と述べています。人はそれぞれの仕事によって、集団社会に貢献していることを感じ、その貢献を通じて自分が大切な存在であるという認識が得られる、というのは何となく私にも理解できます。

糸山先生と考え方の近い、「算数脳」の高濱正伸先生が主催する花まる学習会のキャッチコピーは、「次世代の育成=自分でメシを食える大人に育てる」ですし、私もそれは、多くの親御さんたちに、真剣に考えていただきたいテーマだと思います。

しかし、「自分でメシを食える大人に育てる」といっても、何か漠然としていますよね。メシの食い方、にしても、何らかの商売など家業を継ぐこともあるし、サラリーマンになることもあるし、フリーで活動するケースもあるし、いろいろです。

そこでご参考までに、一般的な社会人という観点から、経済産業省「社会人基礎力研究会」の定義にもとづく「社会人基礎力の3つの能力」、というものをご紹介してみたいと思います。近年、経済産業省では、有識者による専門委員会を設け、社会人基礎力の明確化や人材の育成のありかたを検討、今後の取り組み方に対する報告を行っています。

(ここで、社会人基礎力とは、職場や地域社会の中で多様な人々とともに仕事を行っていく上で必要な基礎能力のことです)

「社会人基礎力の3つの能力」の一つは、「考え抜く力」です。要素としては、現状を分析し、目的や課題を明らかにする力、計画する力、新しい価値を生み出す力が挙げられます。

次に必要なのは、「前に踏み出す力=実行する力」です。失敗しても、粘り強く取り組む力と説明されており、その要素としては、主体性、他人に働きかけまきこむ力、実行力が挙げられています。

最後は、「チームで働く力=チームワーク」です。これは多様な人とともに、目標に向けて協力する力のことで、その要素としては、発信力、傾聴力、ストレス・コントロール力などが挙げられています。

つまり、社会に出て必要な「メシを食うために必要な力」とは、何よりも思考力、失敗をおそれず踏み出す力、そしてコミュニケーション力、と言えるでしょう。

皆様の子育ての参考に少しでもなれば、とてもうれしく思います。




2007/5/18

<シュタイナー教育における教育の目標とは?>

糸山先生が、著書「新・絶対学力」の中で、「シュパルタ教育」を提唱されていることを、みなさんはご存知でしょうか?

もちろんこれは糸山先生の造語なのですが、「小学校まではシュタイナー、だけど中学はスパルタ方式で、みっちりと高校受験に備えて勉強する」が、一番日本人には適しているのではないか、という意味なのです。

ご存知の方も多いと思いますが、ルドルフ・シュタイナーは、1861年、現在のクロアチアに生まれた哲学者・思想家そして社会実践家です。(1925年没) シュタイナーは大学卒業後、家庭教師として教育に情熱を傾けました。その中には、障害をもった子もいました。その経験の中から、教育とは「真の人間認識にもとづく一つの芸術になること」が重要であると考えるようになったのです。

シュタイナーの認識による世界観・人間観は、人智学と呼ばれています。
これは、私たちの生きている世界は「物質」の世界と、「精神」の世界、その二つを結ぶ「魂(心)」で成り立っており、人間もまたこの三つの世界に生きているというものです。

シュタイナーは、人間は生まれてくる前に、それぞれの「人生の設計図」を持って生まれてくる、と考えました。そして、本当に幸せなことは、大人になったときに、この世界で自分の仕事、自分の課題をきちんとやっていける自我をもっていることだと、と人々に伝えていたのです。

せっかくよい会社に入っても、3年以内にやめていく新入社員が増えています。
また、昨年末に公表された学生生活調査によれば、東大生の83%が「将来の自分の進路や生き方」に悩みを抱えており、何と28%が「フリーターやニートになるかもしれない」という不安を抱えています。

大企業や偏差値の高い大学にはいることは、ケーキのデコレーションのようなものです。最も大切な、ケーキの中心のスポンジの部分にあたるのは、「自分の仕事、自分の課題をきちんとやっていける自我」に他なりません。

どのように親は「子供の自我」を育てていけばよいのか。その答えは、糸山先生のDVD講義の中で見つけることができます。




2007/5/15

<考えない運動は、体に悪い!考えない勉強も…>

先日、ある整形外科の先生が書いた、「考えない運動は体に悪い」というタイトルの雑誌の記事を見つけました。その先生の病院の近くを、たくさんの人がウォーキングしているそうですが、それを見ながら先生はいつも「そんなに歩いて、膝や腰が痛くないですか?」と問いかけたくなるそうです。

私たちが普通に歩く時、膝関節の軟骨には、体重の5から7倍の負荷がかかり、腰椎にもその半分くらいの負荷がかかるのだそうです。ただ漫然と歩くだけでは、膝関節、腰椎が悲鳴をあげ、変形してしまう、ということを、私ははじめて知りました。専門家の目から見ると、「考えない運動」は膝関節、腰に悪い影響を与えるので、危険ですらあるそうです。

実は、連続して30分歩くのと、10分歩いて数分ストレッチを3回繰り返す場合の運動の効果は、ほとんど同じです。それでいて、膝、腰への負担は、ずいぶん少なくなるのです。

「考えない運動は、体によいどころか、かえって体を壊すことがある」ということも、私たちが自分や家族・子供たちを守るために、知っておきたいことですね。

やはり運動も勉強も、同じ人間が行う以上、基本は同じなのです。「子供のために」とさせていた勉強が、時期や方法を間違えると、かえって子供に悪い影響を与えることもある、ということを、より多くの保護者の方に知っていただきたい、どんぐり教育研究会はそう願っています。



2007/5/9

<行動科学ティーチングの威力>

行動科学とは、心理学や動物行動学をベースに、人間の行動原理を解明しようとする学問で、今から50年ほど前にアメリカで生まれたものです。そこから、「行動科学マネジメント」という手法が派生し、さまざまな組織がこれを導入し、成果をあげています。

この「行動科学マネジメント」を教育現場向けにアレンジしたもの、それが「行動科学ティーチング」です。たとえば、親は子供に「ちゃんと勉強しなさい」とよく言いますが、この「ちゃんと」が子供には分からないことがよくあります。(きちんと挨拶しなさい、もっと頑張りなさい、というのも同じですね。)

教育のプロからみると、子供が勉強ができない理由は、「勉強の仕方が分からない」か、「勉強の続け方が分からない」この二つしかないそうです。糸山先生も指摘するように、まじめに頑張っているのに、なかなか成果がでないお子さんは、勉強の仕方そのものが間違っている場合があります。

行動科学ティーチングでは、「勉強の仕方」、「勉強の続け方」を教えます。そして、「正しい勉強のやりかたがわかる」、「自発的に勉強する習慣が身に付く」、「ほめられて楽しくなる」、「もっと頑張る」という行動へと、子供たちを導いていくのです。

具体的には、一人一人のお子さんに対し、「毎日勉強する」というようなあいまいな設定ではなく、「1日30分机に向かう」、「分からない漢字を毎日1個書く」といった日々の行動をもりこんだチェックシートを作成し、子供が毎日それに記入していくような仕組みを作ることが大切なのですね。

そして、行動科学では、「結果」と「プロセス」の両面を評価します。すぐに点数があがらなくても、「字が丁寧になった」とか「ノートが2冊目になった」とか、努力している過程をほめてあげるのです。

このやりかたは、ご家庭でもすぐにでも応用できます。「毎日決められた時間机に向かっているか」、「分からん張を作っているか」、「先生に質問する習慣がついているか」など、お子さんと一緒にチェックリストを作ってみませんか。




2007/5/4

先日は、父の17回忌で実家に帰った。
小学生の頃、我が家の裏には狭いながらも畑があり、父はサラリーマンながら、農家で育ったので、休みの日にはネギやトマトを育てていたことを思い出した。

ある日、細い竹を組み合わせてキュウリ用の棚を作っていた父は、ふいにこう言った。
「おい、ワラを持ってきてくれ」

私は、小屋にあったワラを一束掴んで持って行き、得意顔で「はい」と父に差し出した。
父は、一瞬言葉を呑みこんで、そのあと「やはり経験が足らんのか・・・」とつぶやいた。

その日、「紐」の代わりには、柔らかい「稲のワラ」を使うと知った。
私が持って行ったのは、堅い「麦のワラ」だったのだ。



2007/4/30

「マンホールのフタは、なぜ丸いのか?」

マイクロソフト社の入社試験の問題として採用されて以降、とても有名になった問題である。
「フタが穴に落ちない形が丸だから」とか、「作業員がゴロゴロと転がしていくのに便利な形が丸だから」などと、答えはいろいろ出たらしい。

世界中探せば、四角や三角のマンホールのフタも現実に存在する。
それを採用した地域の事情もまた、さまざまであろう。

世の中、10人いれば、10人とも考え方が異なっていてもおかしくはない。無論、この問題にこれといった正解はなく、入社を希望する個人の発想を知るためにのみ実施されたという。

しかし正解はないと言いつつ、やはりそこは”入社試験”なのである。
「マンホールの穴が丸いので、フタも丸い。」
この答だけは、マイクロソフトの試験担当者からは高く評価されなかったらしい。



2007/4/25

子供たちは何から逃げようとしているのか

神戸女学院大学教授の内田樹(うちだ・たつる)さんの近著「下流志向」がベストセラーとなっています。

現代の子供たちは、学びや労働から逃げ、その結果自ら下流階層へと降下していく、といういささか衝撃的な内容です。子供たちにとって、「義務教育」とは、「教育を受ける義務」であり、それを苦役と考え、そこから逃げることに快感を覚えているのではないか、内田氏はこのように分析しています。

では何故、子供たちは学ぶことを苦痛と考えるのだろうか。

かつての子供は、「家の手伝いをしてほめられる」のように、家庭内における労働が社会関係にはじまりでした。しかし今、多くの子供たちの最初の社会活動は「消費」であることが多くなり、ここに「買い手」という消費主体として社会とかかわっていく、という強烈な刷り込みが行われるのです。

子供たちは、学校においても、教育サービスの買い手としてふるまい、「教師の話をきく」という苦役に対する対価を問います。しかし、通常これに対する明確な答えは得られません。
(きちんと教えてくれる先生もなかにはいらっしゃるとは思いますが・・・・・)

ゆえに、子供たちはきっぱりと学びを拒否するのです。有用性が分からない商品に対し、苦役という対価を払う必要はないからです。

私も講師として教えていた幼児や小学生から、授業の最中に「つまらないからやめようかな」とか、「これすると、何の意味があるの?」と真顔で言われたことがあります。子供たちが、幼いうちから「教育サービスの買い手」としての意識を強くもっていることは、確かにそうかもしれません。

しかし、このように、ともすれば「学ぶこと」「労働すること」から逃げようとする子供に対し、大人が何をメッセージとして伝えるべきか、真剣に考えることが重要です。

(いくつかのヒントは糸山先生の著書のなかにちゃんとありますので、是非みなさんも考えてみてくださいね)



2007/4/21

今日、書店で「インド式・計算ドリル」(中村亨氏著)なる本を買った。
なるほど、いろいろな掛け算のテクニックがいっぱいで面白い。

世の中には、「インドには、2桁の九九があるから、インドの人は数学に強いのだ」という人がいる。
だが、この言葉に騙されてはいけない。

インドの人が算数や数学に強くて、世界的にITのエンジニアを輩出していることは周知の事実なのだが、
理由は「2桁の九九」などではなく、もっと別のところある。

インドの人は、釈迦の時代から哲学を好む。
仏教の「空(くう)」の思想から、「0」が発明されたのが有名であるが、哲学とは常に「あいまいな人間心理」との対峙(たいじ)である。

要するに、インドの人々は数千年も「あいまい」を克服しようとした。その結果として身に付いたのは、理路整然であることを理想とする「論理的な探究心」だったと言えるのではないのか。

その一例として、インドの学校では、「算数・数学」の答案用紙には、必ず式を書く欄があり、式がなければ答えが正しくても点数は貰えないのが常識である。結果として、算数・数学に強い国が出来たのは当然であろう。

2桁の九九とは、単にその土地の習俗に過ぎないのである。




2007/4/10


世界的ベストセラー「富の未来」の著者であるアルビン・トフラー氏が指摘するように、今日の世界は、農業革命、産業革命につぐ、「第三の波」と位置づけられる知識革命の到来による、歴史的な転換期を迎えています。

(ブログやどんぐり倶楽部オンラインのDVD講義も、その流れの中にあるわけですね)


これまでの教育や学校制度は、産業界が必要とする人間を養成するために作られました。しかし、工業社会から知価社会(知識が価値をうむ社会のことです)という、新しい経済へと変わろうとしている今、21世紀という時代にマッチした教育とはどのようなものなのか、既存の学校や教育のなかでは、それに対する答えは見つかりません。

経営コンサルタントの大前研一氏は、「唯一の正解など存在しない」というのが、新しい経済における社会の現実であると言われています。

答えは多種多様であってよいし、問題を解くためのアプローチもそれぞれであってよい(ビジネスの世界では当たり前ですよね)のに対し、今の日本の教育の現場では、依然として唯一の答えを求めているのです。

しかしながら、社会に出ると、答えは一つではないし、そもそも問題も答えも誰かが与えてくれるものではありません。受験や小学校低学年からの塾通いでパターン学習に慣れてしまうと、「誰かが問題をあたえてくれるのをじっと待っている」(指示待ち族?)「選択肢がないと、自分で答えを導くことができない」「何でも一つ一つマニュアルがないと動けない」(マニュアル人間?)など、この変革の時代には対応しにくい、融通のきかない社会人になってしまう、といった結果を招きかねません。

どんぐり倶楽部の良質の算数の文章問題は、子供たちが自分で言葉からイメージをおこし、オリジナルの絵をかきます。そして答えを見出していきます。子供たちの絵は、どれ一つ同じものはありません。そして「手を動かし」「絵をかきながら」どうやって答えを導き出すか、その段取りを自分で考えていこうとします。


このトレーニングを繰り返すことにより、「指示待ち族」や「マニュアル人間」ではない、オリジナルの思考回路をもつ、創造性とひらめきのある子供が育つと、私たちは考えていいます。そして社会にでて仕事をすすめる上で、一番必要な「段取り力」もが身についていくのです。




2007/4/9

「本人は、一生懸命頑張っているのに、なかなか学力が伸びない」・・・そんな悩みを持っている親御さんは、いらっしゃいませんか?


 教育環境設定コンサルタントとして多くの本をかかれている松永暢史(まつなが・のぶふみ)さんによれば、学力低下の原因として、一概にはいえませんが、以下のようなものがあげられると言います。(もし何か思い当たる点があれば、まずその環境設定を改善されることをおすすめします)


@近隣の適切な遊び場環境がない。

 (一見学力とは関係ないようですが、特に男の子にとって同世代の男の子と群れて遊ぶ経験は、学力がグンと伸びる下地をつくってくれるものです。)

Aテレビやマンガ、テレビゲームが大好き。

B小学校低学年から塾に通ったものの、「苦痛」だった。

C家の中で、一人でいることが多い。(人とコミュニケーションをとることが苦手)


 松永さんは、特に男の子の場合、「覇気がない」お子さんは、本人がまじめに努力しているわりには、なかなか学力が伸びない傾向にある、と言っています。

 

 特に都会では、子供が安心して遊べる場が減っているということで、どうしても親御さんは、子供がテレビやマンガ、テレビゲームに時間を費やすことを、許容しがちになります。


 また、共稼ぎで子供を見ることができないから、と小学校低学年から塾や習い事にたくさん通っているお子さんも、少なくありません。しかし、いろんな習いごとや塾の宿題におわれるうちに、自分から主体的に学習しなくなり、生活態度そのものが「受身」、いわゆる「覇気がない」状態に陥ってしまいます。自分の身の回りのことも全部親任せ、お手伝いもぜんぜんしない、そんなお子さんも増えています。


 しかし、本来学問に必要なことは、「自分から進んでやる」「やりとげる」という意思の力です。「勉強のできる子には、自分の身の回りのことも、きちんと自分でできる子が多い」というのは、最近発売されたプレジデントファミリーの5月号「頭のいい子の生活習慣」の記事内容とも一致します。

「自分の意思をもってきちんとする」習慣を身につけるには、部屋を片付ける、夕食の皿を運ぶ、靴をそろえる、明日もっていくものを確認してそろえる、家族の中で自分の役割を果たす、忘れ物をしないなど、身の回りのことをきちんとできるようにするのが、一番なのです。そんな子たちの中から、「勉強のできる子」は育っていくのです。




2007/4/7

AIU保険の調査データによると、公立中学校では3年間の教育費が229万円であるのに対して、私立中学校では525万円になるといいます。さらに、公立高校が252万円であるのに対し、私立高校は479万円となっています
                               ===出典 「現代子育て考 2005」


ファイナンシャルプランナーの畠中雅子さん(子供の教育費に関する講演・執筆多数)の分析によれば、普通のサラリーマンのご家庭が、私立中学校に行かせることは、決して無理ではないにしても、入学してからのやりくりはかなり大変なものになります。

さらに問題なのは、教育費優先の家計になるため、大学を卒業するまでまとまった貯蓄がしにくくなることです。

入学金や授業料だけでなく、制服代や学校の指定品代、さらに寄付金や通学費、さらには海外修学旅行の費用など、「私立中学に入れることは、10年間は下船できない船による覚悟が必要」と、畠中さんは言い切ります。

また私立の中高一貫校をめざし、小学校4年生くらいから塾に行かせるご家庭が多いようですが、その塾代もバカになりません。

たとえば、御三家への合格実績トップをほこる「SAPIX」の場合、週3回の6年生の授業料は月額5万円。さらに、夏季講習、冬期講習などの費用が別途かかるのです。



2007/4/5

最近、学校の宿題や幼児期からの早期学習で「百マス」計算などを毎日沢山させられているお子さんに多く見受けられるのが、すぐに「面倒くさい」、「分からない」と言いたがり、物事にじっくり取り組もうとしない態度です。


「算数脳」の提唱者である「花まる学習会」の高濱先生も言われていることですが、計算の繰り返しで学力アップが可能、ということが喧伝されているのは、実は罪深いことなのです。(詳しいことは、どんぐり倶楽部オンラインのホームページをご参照ください)

みなさんのお子さんが、文章題を解きながら「これ、足し算?引き算?」などと言い出したら、それは危険なサインです。自分で考えようとするのではなく、「答」だけを一秒でも早く求めているからなのです。

このような習慣がついてしまうと、国語の読解問題や算数の文章題で伸び悩むだけではなく、将来社会に出たあとでも、根気の要る仕事が苦痛になるなど、本人が苦労をすることにもなりかねません。

子供たちに必要なことは、思考力とその先にある判断力、そして未知の問題に対してもひるまず、(面倒くさがらず)前向きに取り組むことができる「生きる力」です。

どんぐり倶楽部の「良質の算数の文章問題 年長から小6まで」は、誰もが100%考える力を身につけることができるよう、工夫がこらされています。

パターン学習になれてしまったお子さんは、最初はすごく抵抗します。すぐに「分からん」

「やりたくない」と投げ出してしまいます。しかし、「手を動かしてごらん」「絵にかけば分かるよ」と言い続け、絵で答えを導くことができるようになると、もくもくと「手を動かし」「考える」ことが次第に楽しくなってくるのです。

そしていつのまにか、「苦手だった国語の読解が得意になった」といううれしいことがおこります。算数の答えを導くには正確で緻密な絵をかかなければなりません。それができるようになったお子さんは、「言葉からイメージをおこす」ことが容易になり、国語力もあがってくるのです。

なによりも「勘に頼らず」、「しっかりと自分で考える」生活態度が身に付くことが、一番大きな成果かもしれません。



2007/4/4

今、日本の子供たちの読解力の低下が、大きな問題となっています。

2003年にOECDが行った調査では、日本の子供たちの読解力は前回の8位から14位に減退。また最近では、企業においても、社員の日本語を的確に読み、書くといった能力の低下が問題視されています。

あるメーカーでは、マニュアルをきちんと読みこなせない社員が急増したため、昼休みに古典や名作を書き写すことを奨励するなど、試行錯誤を重ねています。

読解力は、このように勉強だけでなく、社会生活にも大きくかかわってきます。また中学入試には、「国語を通して、その子の成長の過程にある生活を見よう」とする学校側の意図も隠れているのです。
国語の入試問題には、各学校の特色がはっきりと現れています。ちなみに御三家や、ラサールの入試問題は、良問そろいです。一度ご覧になることをお奨めします。

入試の問題で測れる子供の力は、「丁寧さと集中力を伴って文章を読み取る力」、「文章を論理的に読み取る力」、「登場人物の感情を客観敵に見る力」などです。そして、「国語の読解力がない」と保護者の皆さんが嘆くお子さん達には、次のような生活上の共通した態度があります。

(1)「じっくり」&「しっかり」取り組むことが苦手

(2)「根拠」よりも「勘」に頼る。「できた」でなく、「当たった」という。

(3)日常生活が「受け身」である。


どんぐり倶楽部では、12歳以前の「過度なパターン学習」に対し、警鐘を鳴らしていますが、これは「考えない習慣」が「考えられない頭」をつくってしまうことを危惧しているからなのです。




2007/4/2

算数は1問の配点が高く、成否が中学受験の結果に反映される場合が多いと言われています。


ここ数年、難関校では、つるかめ算などの解法のある問題がほとんどなくなり、受験生がはじめて見るような、いわゆる型にはまらない問題が増えています。これは、知識確認型の問題から、思考力重視型の問題へと変化しているのです。


学校側は、「考える力のある子供」を入学させたいという意図から、思考力・発想力を重視した問題へとシフトして、そこで得点差がうまれるよう配慮していると思われます。このような問題に対しては、受験テクニックを身につける反復練習や過去問だけでは十分とはいえません。ちょっとむずかしめの問題を、時間がかかっても丁寧に独力で解いていく、この試行錯誤が大切となってきます。

どんぐり倶楽部の「良質の算数の文章題」は、目で考える力=視考力を身につけることで、誰でも100%思考力・発想力を育てることができるよう、工夫されています。目で考える力=視考力を身につけた子供たちは、難しい問題を前にしても、「絵にかけばとけるもん」という絶対の自信をもって、前向きに取り組んでいきます。


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