AWHB 03-049
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文:どんぐり教育研究会
マンガ:おちゃづけ

どんぐり・スマイル <1>

「お母さんのバカ!子供が叫んだ
            ・・・・その時あなたは???」


いつも『マザリーズ』(お母さんとしての自覚を持った言葉)を意識していましょう

「小さい子供は癇癪をおこすと、手におえない」というのが、8年前から多数の小さいお子さん(ゼロ歳から小学校低学年)を見てきた私の感想です。

「先生のバカ!」

「もう今度から、この教室には来ないからねっ!」

そんなことを言われるたびに、腹が立つやら、悲しいやらで、本当に「先生」になりたての頃は、苦労をしました。

(もちろん、すべてのお子さんが、このように癇癪を起こすわけではありません。あらかじめお断りしておきます)

近所のショッピングセンターなどでも、「お母さんのバカ!」と大声を出して、ワーンとなきじゃくっているお子さんを、しばしば見かけることがあります。

たとえば、みなさんは「お母さんのバカ!」と、家の中でご自分のお子さんが叫んだ時、どのような対応をされていらっしゃいますか。

(そんなことは一度もありません、という方は、以下の内容は読み飛ばしてください)

「親に向かって、何てこと言うの!お母さんがバカなら、あなたはその子供なんだから、もっとバカじゃないの!」と、恐ろしい顔で叱りつけるという対応の仕方もあります。

しかし、実のお母さんからこんな事を言われると、子供はいい気持ちはしないでしょう。お子さんの性格にもよりますが、かなり心にグサッとくると思います。

(大人同士でも、同じですね)

                       

では、どうすればいいのでしょうか?

「お母さんのバカ」と子供が叫んだ時は、瞬間的に「カッとなって、言い返す」のではなく、ぐっと踏みとどまって、深呼吸を2〜3回繰り返します。

そして、「何故子供が、突然こんなことを言うのだろうか…」と、少し冷静になって、考えてみるのです。

たとえば、お子さんが、一生懸命に好きな事をしている(例えば絵をかいている)のに気付かず、「はやく片付けをしなさい」と何度も声をかけてしまったなど、何かしら思い当たる点に気付くかもしれません。

何も思い当たらないという場合は、優しくおだやかに質問をしてみましょう。

「どうして、そんなことを言うのかな?お母さんに教えてくれる?」

この「お母さんに教えてくれる?」というのは、子育て中の親御さんにとっては、いろいろな場面で応用がききますので、是非頭の中に入れておくことをおすすめします。

ただ一つ、気をつけていただきたいのは、お子さんに「質問をする」時の、親御さんの声のトーンや態度です。

「目を吊り上げて、怒ったような表情」や「怒りを押し殺したような、低い声のトーン」、「両腕を腰にあてて、足をふんばったような威圧的な態度」で、「お母さんに教えてくれる?」と言っても、子供は黙り込むだけです。

「お母さんに教えてくれる?」は魔法のフレーズですが、この魔法が子供の心にしっかり届くためには、お母さんご自身が落ち着いたおだやかな態度と話しやすい雰囲気を、意識して心掛けることが大変重要なのです。

                       

今、「人を育てる」という観点から、様々な分野で応用が進んでいるコーチングでは、「話を聞く」ことをとても重視します。

中でも、相手が「話しやすい」環境を作ることが最も大事!とされているのです。

何かあった時だけではなく、日頃から、子供が何でも「話しやすい」環境をつくるよう、家の中でも親御さんは声のトーンや話し方にまで気を配りましょう。

子供と接する時には、穏やかで優しくあたたかみのある話し方を意識されてみることをおすすめします。

 アメリカではお母さんとしての自覚を持った言葉や話し方を『マザリーズ』といい、大変に重要だとされています。たとえば、小さい子供には、大人に対するよりも「少しトーンの高い声で」「ゆっくり」「抑揚をつけて」「おだやかに」話をしたほうがよいとされているのです。なぜなら、幼少期における周囲の大人の言葉は、子供が「言葉を学習するときのテキスト」の役割を果たしているからなのです。

周囲の大人が、「バカ、アホ、お前なんか死んでしまえ」というような、乱暴で荒々しい言葉使いをしていたら、子供はそっくりそのままそれを真似して育つのです。

「私は、子供に対していつも早口で、マザリーズなんて苦手…」「そんなことを全く意識したことはなかった」という親御さんは、是非日常的に多くの子供と接するお仕事をされている、「お教室の先生」などを、よく観察してみると良いかもしれません。

長年子供と接するお仕事をされている先生は、普段大人同士の会話の時と違って、子供に対しては、つとめて「やわらかく」「おだやかなトーン」でお話されていることに、気付かれることと思います。

                      2011/01/01掲載

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